まめたの緑色でありたい毎日の記録

毎日をオールグリーンで過ごすのを夢見つつ、日々の引っかかりを書き留めています。「ももいろのきりん」「エルマーのぼうけん」が好きです。

映画「空飛ぶタイヤ」 最後にちゃんと報われるのはエンタテイメントとして大事ですね

土曜日、映画「空飛ぶタイヤ」を見てきました。
普段映画を見る方ではないので、封切り2日目に行くのは中々珍しい。そこまで見たかった訳でもないのですが、相方が見たがったので じゃあと。

流石にそこそこの混雑、年齢層は割と高め、男性連れやご夫婦連れで中高年男性が結構いますね。流石池井戸潤原作。

なのに始まる前の予告映像はひたすらスイーツ映画連発でなんなんだー?と思う。
笑ったのは沢尻エリカが飼ってるネコが自分を人間と思い込んで沢尻エリカに恋をする話でネコの役を吉沢亮がやってる映画の予告の後に、福士蒼汰がネコと旅するロードムービーでネコの声を高畑充希という映画の予告で、いくらネコブームでも企画安直過ぎだなぁと。
あとは「虹色デイズ」という男子4人の青春ものになぜか降谷建志がやたら爽やかな主題歌を歌ってて「どーした⁈」と思ったり、杉咲花がやたら出てるけどスイーツ映画のヒロインには華が足りないなぁとか、相変わらず「お客さん入るのか?」というゆるい映画ばっかりだなぁと思って見てた。

で、本編。
ストーリーは実際にあったタイヤ脱輪事故をモデルに、事故を起こした運送会社の二代目社長が大手自動車メーカーのリコール隠しを暴くため奮闘するという話。
主人公赤松運送社長が長瀬智也、その対応に当たったことで自社がリコール隠しをしようとしていることに気づく大手自動車メーカーカスタマー戦略課課長沢田がディーンフジオカ。
宣伝見てると、これに自動車メーカーと同じ企業グループの銀行員の高橋一生がメインに見えるが実は出番は少なく、中小企業の社長と大きい組織の一員という対照的な2人の生き様がメイン。

私はTBSでたくさんやってる池井戸ドラマは「ルーズベルトゲーム」しか見ていないという、池井戸ドラマファンとは言い難い立場なのだけど、それでもこの映画は「ザ・池井戸ドラマ」という感じだった。
考えて見れば、ドラマの時は数話で1エピソードケリがついてるし、多少飛ばし気味とはいえ映画にするくらいが長さ的にちょうどいいのかもしれないと思った。
赤松が自社の汚名を晴らすために、事故の起きた他の中小の運送会社を訪ねて回るが、みな相手の大きさに泣き寝入りしていた。その悲哀を感じつつそれでも引かずに闘い続ける赤松が長瀬によって演じられることで正にヒーローとなる。ちょっとカッコよすぎる程に。
そう年齢的にはありなのだろうけど、長瀬があまりにスラッとかっこよくて、もう少しくたびれた中年感が欲しいかなぁとは思う。
けれどディーンフジオカのいかにもエリート然としたスマートさと、長瀬の頭で考えるより感情が出がちな感じがいい対象になっていた。
それに、ジャニーズで本当に大人の男を演じていけるのはやっぱり長瀬しかいないなぁと思わせる。いい感じに小僧感が消えている。
ディーンフジオカは本当に綺麗な顔をしていて、アップになるたびに「端正って言葉はこういう人に使うんだよねー」としみじみ思った。またバツイチ独身貴族ぶりが腹立つほどカッコいい。
この対照的な2人が同じ問題に気がついて、それぞれの立場や考え方から別なアプローチをして、結果協力した形になって解決を導き出すのが爽快なのだ。
この2人がちゃんと主役らしく存在感があって映画が華やかになっている。

他の俳優ではディーンフジオカの同僚役のムロツヨシが良かった。正直、福田組でのムロの芝居はやり過ぎていて好きじゃない。でもこういう他に出るとちゃんと加減もわかっていて上手い役者なんだよなぁと思う。なんか福田組から離れた方がいいと思うけど。
相方は刑事役の寺脇康文が、リコール隠しの黒幕の取締役の岸部一徳を取り調べるシーンに感動してた。亀山が官房長を!って。相棒ファンなもので(笑)

赤松が追い詰められても諦めず調査を進め、いける!と思ったところで突き落とされ、もうダメだ!と思ったところでどんでん返しで最後汚名を晴らす、まあ想定通りの展開なんだけど、後味が良くて気持ちいい。
話の展開もテンポよくてでもちゃんと説明もわかって、エンタテイメントとしてよくできてたです。

赤松の妻役で深田恭子が出ていて、「うちのことは私に任せて、あなたは思い切り仕事をして」というキャラで、池井戸ドラマの妻は大体こんなんだなぁと笑った。あくまでも男の世界のファンタジーなんですね。